コムロクリニックは東京・大分・宮崎にて、皆様のコンプレックスを解消して、理想を創る安全な美容整形を行っています

美容外科 美容皮膚科 コムロクリニック
男性のお悩み解決
  • メール問い合わせ
  • 無料カウンセリング

腫れと痛みを最小限に抑える安心安全なコムロ式を駆使して、美容外科・美容整形の業界を30年間牽引しています

  • 2022.10.01

    今月のトピックス Vol.9 「予防的乳房切除術」~乳がんのリスクを失くすために、いま、できること

    美容医療の最新の話題をお伝えする「今月のトピックス」。
    今回は、女性がかかる【がん】第1位の、乳がんにまつわるお話しです。
     


     
     ハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリーさんが、2013年に両方の乳房と卵巣・卵管を切除したことをご存じですか?彼女の母親は、卵巣がんと診断されたのち、乳がんも発症、50代中頃という若さで亡くなりました。アンジェリーナさんは、母方の祖母が卵巣がん、叔母も乳がんで亡くなっていたことから遺伝子検査を受け、細胞のがん化を防ぐ抑制遺伝子【BRCA1】に生まれつき異常があり、このまま何もしなければ90%近い確率で乳がんを発症、50%の確率で卵巣がんになると診断されました。遺伝子検査を受けた頃に初期の卵巣がんの兆候がみられたことから養子を含む6人の子どもを持つアンジェリーナさんは、子どもたちのために乳房、卵巣、卵管の予防切除に踏み切ったといいます。その後、彼女は乳房再建手術も受けています。
     
     アンジェリーナさんの選択をどう思われますか?そこまでやらなくても・・・と、感じるかもしれませんね。セレブだからできた、そう思われる方もいらっしゃるでしょう。私は、以前、乳腺外科医として一般の病院に勤務していました。当時(50年前)は、50人に1人だった乳がんが、今では9人に1人が発症し、たくさんの方が亡くなっていることを知り大変驚きました。あまりにも乳がんを発症する方の割合が高くなっていたからです。そこで、アンジェリーナさんが受けた「予防的乳房切除術」について、少し考えてみましょう。

     

    予防的乳房切除術

     コムロクリニックで行う「予防的乳房切除術」は、2種類あります。
    ・「胸筋温存乳房切除術」乳腺と一緒に乳頭・乳輪、皮膚を取ります。
    ・「皮下乳腺全摘術(乳頭温存乳腺全摘術)」わきの下を切開し、乳頭・乳輪、皮膚を残して乳腺だけを取ります。

     どちらの術式が適しているかは、患者さまの意思や健康・バストの状態をみて、ご提案いたします。この予防的乳房切除術を用いることで、その後のがんリスクが90%も軽減されるといいます。余談ですが同じ術式を用いて、FtM(トランスジェンダーで女性から男性への性別移行を望む方)の方の乳房切除手術も行っています。

     

    予防的乳房切除術を検討する対象となる方

    • 遺伝子検査で、がん抑制遺伝子のBRCA1、BRCA2のどちらか、または両方に異変が見つかった方
    • 血縁者に婦人科系のがんを発症した方がいる
    • すでに片方のバストが乳がんになった

    ここで大切なことが一つ、あります。この手術は、あくまでも「予防」です。すでに乳がんを発症されている方には適しません。以前、この術式をご存じだった方が手術希望で来院されました。調べてみるとわきの下にしこりがあり、患者さまにお尋ねしたところ、病院で「疑わしいが、小さいので様子をみましょう」と診断されたとのこと。私は乳腺外科医としての経験から明らかに乳がんだと判断、患者さまに手術を行うとがん細胞がさらに全身に飛び散ってしまうことをご説明して、この状態での予防的乳房切除術はできないことをお伝えしました。そのうえで、優れた乳腺外科を再受診することをおすすめしました。患者さまの命に関わる重大な事実なので、医師としてはそうするしかなかったのです。

     

    施術の流れ、アフターケア

    1. 1.カウンセリングを行い、施術の方法や再建のご希望などをお聞きします。
    2. 2.当日は、全身麻酔或いは硬膜外麻酔で手術を行います。
    3. 3.施術方法にもよりますが、乳房再建を含めると1~4時間ほどかかります。
    4. 4.手術終了後は、少し休まれてお帰りいただけます(日帰り)。痛み止めや抗生剤をお渡しします。当日の入浴・シャワーはお控えください。患部に力を加えないでください。
    5. 5.翌日は診察や消毒、ガーゼ交換などのため、ご来院ください。状態をみてシャワーが可能かなど診断いたします。
    6. 6.その後、1~2週間後に抜糸を行います。
    7. 7.様子をみながら1カ月、2カ月などの診察を行います。

    リスクについて

    ● 手術中の感染がゼロではありません。手術後の傷あとからの感染、合併症の可能性があります
    ● 術後出血、傷口が開くなどの可能性があります

     乳房を失うことは、女性としての「自分」を失うことだと思われるかもしれません。しかし、「予防的乳房切除術」ならば乳房をきれいに再建できます。乳がんを発症して再建できないケースとは違うのです。もう一つ、乳腺を失うと、出産したときに授乳できないのでは?という心配があります。そのご心配は、残念ながらその通りです。ただ、長い目でみると人生の中で1人の赤ちゃんに対して授乳期間は長くても1~2年ほどです。男性だけで赤ちゃんを育てている方、体質的におっぱいがでにくい方もいらっしゃいます。みなさん、粉ミルクで子育てされていて、決してそのことを悲しんだり、卑下することはありません。それよりも、乳がんになるリスクの方が大きいのでは?特に乳がんは進行とともに、わきの下のリンパ節に転移することが知られています。さらに進むと血管にがん細胞が入り、肺や骨、乳房からは遠い臓器へ転移する可能性もあるのです。そんな恐ろしいがんが現在、9人に1人の割合でみられるということは残念としか言えません。そのため、遺伝子検査で異常があった方の場合、「予防的乳房切除術」は、その後の不安を取り除き、安心して生活するための手段だとも言えます。

     予防的乳房切除に関しては、まだまだ認知度も低く保険適用外の手術になりますし、健康な乳房にメスを入れるため、患者様のお気持ちも複雑だと理解します。ただ、ドクターの関心が高く、現在でも乳腺外科で遺伝診療センターを持ち、予防切除を行っている総合病院もあるほどで、今後、さらに増えるケースであることは間違いないと思われます。コムロクリニックでは、予防的乳房切除術と同時に乳房再建を行うことができます。ご相談はいつでも受け付けますので、どのようなことでもお尋ねください。


     先進医療についても話題となっているものをこれからもご紹介しますので、ぜひ、ご参考になさってくださいね。

Copyright © コムロクリニック All Rights Reserved.